2025年4月 最新改正情報
1)タイ国内観光産業促進のための法人税及び個人所得税の税制優遇について
歳入局は、2025年3月24日付官報において、国内の観光事業と経済の活性化のため、一定の企業の従業員研修費及び個人の宿泊費に対する税制優遇措置を公示しました(Royal Decree No. 792) 。
2024年6月に発表された優遇措置(参照【タイ】最新税務アップデート(7月))になり、対象期間は2024年5月1日から2024年11月30日となり、既に過ぎていますが、2024年度の税務申告の際にご留意ください。
2) 海外就労経験を有する高度な技能を持つタイ人を国内に呼び戻すための法人税および個人所得税の税制優遇措置について
歳入局は、2025年3月24日付官報において、海外就労経験があり、高いスキルを持つタイ人への税制優遇措置を公示しました(Royal Decree No. 793) 。
海外で活躍する優秀なタイ人を国内に呼び戻し、投資奨励法(Investment Promotion Act, B.E. 2520)、特定産業国家競争力強化法(National Competitive Enhancement for Targeted Industries Act, B.E. 2560)、東部特別開発地区法(Eastern Special Development Zone Act, B.E. 2561)に基づく産業の投資促進および産業競争力向上を目的としています。
主に以下の分野の産業が対象となります。
・Next-Generation Automotive (次世代自動車)
・Intelligent Electronics (インテリジェントエレクトロニクス)
・Automation and Robotics (オートメーション・ロボティクス)
・Digital (デジタル)
・Aviation and Logistics (航空・物流)
・Medical and Comprehensive Healthcare (医療・総合ヘルスケア)
税制優遇措置
1.個人向け所得税優遇
2025年3月25日から2029年12月31日まで対象産業で得た給与所得に対する個人所得税の源泉税率を17%に引下げ
2.企業向け法人税優遇
2025年3月25日から2029年12月31日まで、対象従業員の給与について、1.5倍の損金算入が可能
対象者
2025年3月25日から2025年12月31日の間にタイへ帰国し、対象企業が雇用を開始するタイ国民で、以下の条件を満たす者
・学士号以上の学位を持つこと
・海外で2年以上の就業経験があり、それを証明できること
・初年度の税優遇措置適用前2年間、タイで働いた経験がないこと
・2025年3月25日~12月31日の間にタイへ帰国し、対象企業で雇用を開始すること
・税優遇初年度の前2年間、タイに居住していない、または180日未満の居住歴であること
・優遇年度にはタイに180日以上居住すること(初年度・最終年度は例外)
なお、歳入局は、本税優遇措置の適用に関して、追加条件等を指定する可能性があります。
3)「知識管理開発局(Office of Knowledge Management and Development )」への寄付に関する税制優遇について
歳入局は、2025年3月24日付の官報において、2025年1月1日から2026年12月31日までの期間に、e-Donation※を通じて「知識管理開発局」へ寄付を行った場合の税制優遇措置を公示しました(Royal Decree No. 794)。
※e-Donationとは、歳入局が開発したシステムで、法律で定められた対象の教育機関、宗教施設、医療機関、公益団体、その他の寄付受領機関の寄付情報を管理するためのものです。
これにより、税金還付を迅速に受けることが可能になります。(e-Donation公式ページ)
現金または販売目的ではない資産を寄付する場合
①個人の場合
・現金のみ寄付が可能
・課税所得から2倍控除可能。ただし、控除額は、課税所得のうち控除や諸手当を差し引いた後の金額の10%を超えることはできません。
・この控除を利用した場合、寄付控除は再利用不可
②法人の場合
・現金または販売目的ではない資産の寄付が可能
・公共慈善事業または公共の利益のために支出された費用、および第65条の3(3)に基づき教育またはスポーツ活動を支援するために支出された費用について、課税所得から2倍まで控除可能であるが、控除前の純利益の10%を超えてはならない。
・この控除を利用する企業は、公益目的の寄付を費用として二重に控除不可
販売用資産や商品を寄付する場合
①個人の場合
・個人所得税、付加価値税、特定事業税、印紙税が免除可
②法人の場合
・法人所得税、付加価値税、特定事業税、印紙税が免除可
4) Thai ESG Extraへの投資に関する税制優遇について
Thai ESG Extra (Thai ESGX)は、タイの資本市場の安定化と、環境・社会・ガバナンス(ESG)に配慮した持続可能な投資の促進とLTF(長期投資信託)からの移行を目的として、2025年4月にタイ政府によって承認された投資です。
ESG要素を重視した新しい投資カテゴリーとして設けられ、今後の持続可能な投資環境の整備および資本市場の強化を目指しています。
(参照:タイ証券取引委員会(SEC)の公式ウェブサイト(www.sec.or.th))
財務省は、2025年3月28日付官報において、Thai ESGXの活性化とLTF(長期投資信託)からの移行を目的として、2025年5月6月と期間を限定し、Thai ESG Extra (Thai ESGX)への投資を対象とした税制優遇措置を公示しました(Ministerial Regulation No. 398)。
①通常の投資の場合
Thai ESGXファンドへの投資によって、2025年課税所得の30%(上限30万バーツ)までの控除が認められます。
ただし、最低保有期間は5年間とされています。
②LTFからの移行する場合
LTF全保有分をThai ESGXファンドへ移行する場合、5年間(2025年~2029年)で最大50万バーツを控除可能です。
具体的には、2025年度は最大30万バーツ、2026年度から2029年度においては毎年最大5万バーツの控除となります。
2024年7月にタイ政府はThai ESGファンドへの投資について、課税所得の最大30%、年間30万バーツを上限とする税控除(最低保有期間5年)を承認しています(参照【タイ】最新税務アップデート(8月))。
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