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2025年11月12月 最新改正情報

2025.12.11
会計・税務

1)社会保険料算定基準給与額を2026年1月より段階的に引上げへ 

2025年12月2日、タイ内閣は、社会保険料の算定基準となる給与額を引き上げる省令案を承認しました。(官報未掲載)
本改定は、経済状況や実際の賃金水準に合わせ、2026年以降、段階的に保険料の上限額を引き上げ、十分な社会保障給付を確保するための措置になりますが、雇用主と従業員ともに負担が増えることになります。

施行日 

2026年1月1日

給与基準額及び最高保険料 

区分適用期間最低
給与基準額
最高
給与基準額
最高保険料
(最高給与基準額の5%)
現行1995/3/30〜2025/12/311,650バーツ/月15,000バーツ/月750 バーツ/月
新制度
(段階1)
2026/1/1〜2028/12/311,650バーツ/月17,500バーツ/月875 バーツ/月
新制度
(段階2)
2029/1/1〜2031/12/311,650バーツ/月20,000バーツ/月1,000 バーツ/月
新制度
(段階3)
2032/1/1〜1,650バーツ/月23,000バーツ/月1,150 バーツ/月

改定後の社会保険給付(現行 vs 改定後:段階1の比較) 

給付項目現行改定後(段階1)
傷病手当7,500 バーツ/月8,750 バーツ/月
障害手当7,500 バーツ/月8,750 バーツ/月
失業給付7,500 バーツ/月8,750 バーツ/月
出産手当22,500 バーツ/回26,250 バーツ/回
葬祭費90,000 バーツ105,000 バーツ
老齢年金(15年加入)3,000 バーツ/月3,500 バーツ/月
老齢年金(25年加入)5,250 バーツ/月6,125 バーツ/月

2)労働保護法(第9号改正)B.E.2568 が公布

〜産休・育休制度の拡充へ〜 

2024年11月7日付で、「労働保護法(第9号改正)B.E.2568(2025)」が公布されました。本改正は、1998年労働保護法(B.E.2541)を経済・社会環境の変化に適合させ、国民の大多数を占める労働者の生活の安定化と雇用の質向上を図るものです。
今回の改正では、女性労働者の産休延長、出産後の育児休暇、男性労働者の育児・出産サポート休暇の創設、そして公的機関における業務委託労働者への保護拡大が盛り込まれています。

施行日 

2025年12月7日

主な改正点 

項目改正内容従来改正後
1. 女性労働者の産休 
産前・産後合計休暇日数98日120日 
うち雇用主が支払う有給日数45日60日 
社会保険給付継続継続(有給の残り日数を雇用主カバー)
2. 子の育児休暇(産後追加) 子が疾病・障害など特別な状態の場合の追加休暇―(制度なし)最大15日(医師診断書必要)
賃金支給率50% 支給 
3. 男性労働者(夫)の出産サポート休暇 配偶者の出産時の休暇制度―(制度なし)最大15日(出生後90日以内に取得)
賃金支給15日まで全額支給 
4. 国家機関・公的組織の委託労働者保護 アウトソース労働者への適用範囲中央・地方行政機関等は対象外中央省庁・地方行政機関・国営企業・公的組織まで適用拡大 
保護内容制限あり賃金・休日・休暇・労働時間など労働保護法の保護対象に 

3)中小企業支援政策「Quick Big Win」を内閣が承認 

〜低額輸入品に対する免税制度( De Minimis Value:DMV)の撤廃〜

タイ政府は2025年12月2日の閣議において、タイ中小企業(SMEs)の競争力を強化するための包括的政
策「Quick Big Win」を承認しました。
政策の目的は以下となります。
・eコマース関連商品など海外からの安価な輸入品と競合する国内SMEsの競争条件を公平化
・SMEsのデジタルスキル向上を促進し、Digital Economyを推進
・国内SMEsに対する支援の強化と新たなビジネス機会の創出
具体的な制度変更として、低額輸入品に対する免税制度(De Minimis Value:DMV)が撤廃され、1バーツ以上のすべての輸入品に対して、関税・VAT・物品税が課税されます。

DMVとは

一定額以下の輸入品に対し、関税・VAT・物品税を免除する制度で2018年より、改正されながら、適用されてきましたが、2025年12月31日にて撤廃となります。
従来(2018年〜):価格1,500バーツ以下 → 関税・VAT・物品税すべて免税
2024年7月5日〜 2025年12月31日:1バーツ以上 → VAT・物品税を課税(関税は免除)
2026年1月1日〜 : 関税・VAT・物品税 課税

旧制度と新制度の比較

区分関税局告示 / 方針適用期間対象価格帯関税VAT物品税
旧制度①告示191/25612018/8/16〜1,500バーツ以下免税免税免税
旧制度②告示116/25672024/7/5〜2024/12/311〜1,500バーツ免税課税課税
現行(2025)告示232/25672025/1/1〜2025/12/311〜1,500バーツ免税課税課税
新制度(2026〜)関税局の新方針2026/1/1〜1バーツから課税課税課税課税

4)PND1 Kor (年次個人所得税報告書)のインターネットによる税務申告・納付期限を延長へ

 (歳入局告示第9号 2025年11月18日官報公布)

タイ歳入局は、2025年11月18日付で「インターネットによる税務申告および納付期限の延長に関する告示(第9号)」を官報にて公布しました。本告示により、従来のオンライン申告期限が一律で8日間延長される項目が追加されています。
本改正は、2024年1月12日に公布された告示(第7号)の一部を改正するものです。

対象となる申告書  

  • PND1 Kor(ภ.ง.ด.1ก)
  • PND1 Kor Special (特例フォーム)(ภ.ง.ด.1ก พิเศษ) *官公庁職員用

変更内容(告示第7号 → 第9号) 

項目旧規定(告示第7号・2024年)新規定(告示第9号・2025年)
対象申告書ภ.ง.ด.1ก(PND1 Kor)
 ภ.ง.ด.1ก พิเศษ(PND1 Kor Special)
同左
オンライン申告期限翌年2月末まで翌年3月8日まで延長

留意点

オンライン提出期限に、実務負担の軽減が期待されますが、紙での提出の場合、期限は延長されていない点に注意が必要です。

5)会計記録責任者(CPDライセンス)の資格・登録要件の強化へ

タイ商務省(DBD)は、2025年10月29日付で「会計記録責任者(CPD)の資格および条件に関する告示 B.E.2568(2025)」を公布しました。
会計記録責任者はCPD (Continuing Professional Development)ライセンス保有者と日系企業では称されることがありますが、年次法人税申告書への署名する際に必要なライセンスであるため、企業にとって欠かせない存在です。
本告示は、CPDライセンス保有者の会計実務の水準向上、法令遵守の徹底、企業のガバナンス強化を目的としています。

施行日 

2026年1月1日

新旧制度の比較 

No.改定項目旧制度新制度目的・背景
1新規登録時の試験必須化 試験なし試験(60問/会計・税務・関連法)に60%以上で合格が必要
 ※2026/1/1以降の新規登録者のみ
新規登録者の基礎知識を強化
2受任件数の算定基準変更 「担当企業数」で年間100件まで「作成した財務諸表数」で年間100件まで業務量ベースでの適正化・透明性向上
3CPD必須内容の追加 年12時間(会計6時間)年12時間(会計6時間+倫理1時間)倫理教育を強化
4CPD免除期間の短縮 7〜12月登録者は初年度CPD免除10〜12月登録者のみ初年度CPD免除免除期間を6か月→3か月に縮小
5CPD報告期限の前倒し 翌年1月30日まで当年12月31日まで同一年度内での報告を徹底
6受任企業リスト確認の柔軟化 翌年1〜30日に確認(会員資格確認も必要)決算期終了後〜財務諸表提出前までに確認各社の決算スケジュールに対応
7CPD証明書保存義務の撤廃 3年間保存必須保存不要(オンライン確認可能)保管負担の軽減・デジタル化推進
8CPD補填時間上限の削減 補填上限24時間補填上限12時間(すべて会計分野)補填依存を抑制し学習の質を確保

―免責事項―

本記事の内容は、掲載時点の法令等に基づいて作成しております。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の会計・税務・法務その他の専門的助言を提供するものではありません。会計・税務・法務に関する具体的な取扱いについては、個別の状況に応じてご相談ください。

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