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2026年1月 最新改正情報

2026.01.27
会計・税務

1)カンボジア国境情勢・洪水被害に関連する社会保険・土地建物税の支援措置

2025年末の南部洪水被害およびタイ・カンボジア国境情勢を受け、
タイ政府は①社会保険および②土地・建物税に関する支援措置を実施しています。
 本稿では、対象区域と実務への影響を中心に概要を整理します。

 社会保険に関する措置(官報公布待ち)

(ⅰ)社会保険料率の軽減、(ⅱ)社会保険料の申告・納付期限の半年間の延長は、洪水被災の重大災害地域として指定された
南部9県に所在する事業所・被保険者のみが対象です。
・Trang(トラン)
・Nakhon Si Thammarat(ナコンシータマラート)
・Narathiwat(ナラティワート)
・Pattani(パッタニー)
・Phatthalung(パッタルン)
・Yala(ヤラー)
・Songkhla(ソンクラー)
・Satun(サトゥーン)
・Surat Thani(スラタニ)

(ⅰ)社会保険料率の軽減(内閣承認済み)

  ・内容:社会保険料率の一時的引き下げ
  ・対象:上記9県に所在する事業所の
    ・雇用主および被用者(社会保険法 第33条)
    ・任意継続被保険者(第39条)

  ・想定税率(案)
    ・第33条:5% →3%
    ・第39条:9% →5.9%

  ・適用期間:2025年12月分~2026年5月分(6か月)
  ・状況:2025年12月30日 内閣承認済み/官報未公布(暫定)
       公布後、対象地域に該当する事業所のみ、給与計算・料率変更が必要となります。

(ⅱ)社会保険料の申告・納付期限の半年間の延長(内閣承認済み)

  ・内容:社会保険料(第33条・第39条)の申告・納付期限を6か月延長
  ・対象区域:南部9県のみ(全国適用ではない)
  ・ 対象期間:2025年11月分 ~ 2026年4月分
  ・ 新納付期限:各月とも原期限から6か月後
    (例:2025年11月分 → 2026年6月15日)
  ・ 適用開始日:2025年12月16日
  ・ 状況:内閣承認済み/官報未公布(暫定)

② 土地・建物税に関する措置(官報公布済み)

本措置は、洪水被災地域に限定されず、タイ全国のすべての土地・建物税納税者に適用されます。

  ・ 根拠:内務省告示
  ・ 公布日:2025年11月29日(官報公布済み)
  ・ 内容:2026年度分の各種手続きを一律2か月延長
  ・ 背景:洪水被害およびタイ・カンボジア国境情勢への配慮

手続きによる新旧期限比較

地方自治体による手続期限

内容旧期限新期限
土地・建物台帳の作成・納税者への通知2025年11月2026年1月
評価額・税率の公告2026年2月1日以前2026年4月1日以前
課税通知書の送付2026年2月2026年4月

納税者側の期限

内容旧期限新期限
土地・建物税の納付期限2026年4月2026年6月※

※分割納付の場合 
  ・第1期:2026年6月
  ・第2期:2026年7月
  ・第3期:2026年8月

2)大型商用EV投資に関する法人税優遇措置の公布について(歳入局長告示 第464号)

タイ歳入局は、大型商用電気自動車(EV)への投資を促進する目的で、 歳入局長告示 第464号を2025年12月26日付で公布しました。

本告示は、2025年3月27日から12月31日までに実施された大型商用EV(電動バス・電動トラック)への投資について、
 法人税計算上の追加損金算入を認める税制優遇措置を定めるものです。

制度概要

  ・対象者:会社および法人組織
  ・対象投資期間:2025年3月27日~12月31日

税務上の取扱い

  ・タイ国内で製造または組立された大型商用EV
      :投資額の100%(合計で2倍)を損金算入

  ・完成車として輸入された大型商用EV
     :投資額の50%(合計で1.5倍)を損金算入

※いずれも、通常の減価償却に加えて税務上の追加控除として適用されます。
※減価償却開始年度から連続5事業年度にわたり適用されます。

本措置により、電動バスや電動トラックを導入した企業においては、法人税負担の軽減が見込まれます。
特に、社員送迎、物流・配送、工場内輸送等で大型商用EVの導入を検討している企業にとっては、脱炭素対応と税務上のメリットを同時に検討できる制度といえます。

―免責事項―

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