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2026年3月 最新改正情報

2026.03.25
会計・税務

1 ) 個人所得税申告(PND.90/91)2025年分における外国所得の取扱いおよびe-Filing変更について(歳入局通達 Por.161/2566 対応)

タイ歳入局通達 Por.161/2566(2023年公布)により、外国所得の課税ルールはすでに改正されています。

本改正自体は過去のものですが、当該改正の影響が、2025年分個人所得税申告(2026年申告)において初めて本格的に顕在化しています。

そのため、今回の申告では、従来と異なる実務対応が求められます。

改正内容の要点(再確認)

■ 外国所得の課税ルール(改正済)

以下の条件を満たす場合、 送金した年に課税(発生年は不問)

  • 外国所得をタイへ送金
  • タイに180日以上滞在

■ 従来との違い

区分内容
旧ルール発生年と同一年送金のみ課税
改正後送金した年に課税(年を問わない)

実務対応の変更

個人所得税確定申告について(PND90/91)e-Filingシステムの改修され、所得区分選択(タイ/外国)が必須となっています。

(1)海外給与(駐在員)

海外親会社支給分も合算申告が前提の様式といえます。

(2)外国所得(配当・投資等)

タイに送金された時点で課税対象となり、過去の留保所得も対象となり得ます。

本改正は過去に施行されたものですが、今回の申告において初めて実務上の対応が必要となる点が重要です。

現行システムには実務上の課題も残っており、歳入局は改善を予定しているため、次年度以降、さらなる運用変更の可能性あります。

2 ) e-Withholding Tax(源泉税1%特例終了)に伴う追加納付期限の延長について

概要

タイ財務省は、e-Withholding Taxに関する特例終了に伴い、源泉税の不足納付に対する救済措置を公表しました。

本措置は、誤って1%で源泉徴収を継続していたケースに対し、追納期限を延長し、ペナルティを免除するものです。

法令概要

  • 公布日: 2026年2月6日
  • 内容:源泉税不足分の追加納付期限の延長

背景

従来、e-Withholding Tax制度により、通常税率(5%・3%・2%)から1%へ軽減(2023年~2025年されていましたが、当該措置は2025年末で終了しています。

そのため、本来は2026年以降は 通常税率へ戻る必要があります。

今回の措置

以下の期間において、誤って1%で納付していた場合、不足分の追加納付期限が延長されます。

  • 対象期間:2026年1月~3月
  • 延長期限:2026年4月30日まで

ペナルティの取扱い

上記期限内に追加納付を行った場合:以下、 すべて免除

  • 延滞税
  • 加算税
  • 刑事罰

実務上のポイント

  • 2026年以降は原則として通常税率へ戻っている点に注意
  • 1%で処理している場合は、速やかに差額の確認が必要
  • 対象期間(1~3月)の支払を重点的に確認

本件は制度終了後の過渡期対応となりますが、
源泉税率の誤適用によるリスクが顕在化している点に注意が必要です。

3 ) エネルギー効率設備および住宅用Solar Rooftopに関する税制優遇措置の施行について(勅令第805号/2026年3月2日公布)

概要

タイ政府は、エネルギー効率の高い設備投資および再生可能エネルギーの利用促進を目的として、以下の税制優遇措置を導入しました。

本措置は、機械・設備投資および住宅用Solar Rooftopの導入に対する税負担軽減を通じて、省エネルギーおよび環境配慮型投資の促進を図るものです。

法令概要

  • 法令名:勅令(第805号)仏暦2569年(2026年)
  • 官報公布日:2026年3月2日
  • 適用開始日:2026年3月3日

1. エネルギー効率設備・省エネ資材に関する税制優遇

対象者

  • 法人
  • 個人事業主(所得区分40(5)~(8))

税務メリット

対象設備への投資額について、150%の損金算入(追加控除50%)が認められます。

適用期間

2026年3月3日 ~ 2028年12月31日

主な要件

  • エネルギー効率ラベル「5つ星」認証取得設備
  • タイ国内に所在する未使用の新品
  • 2028年12月31日までに取得および使用開始
  • VAT登録事業者からの購入
  • e-Tax Invoiceの取得が必須
  • 他の税制優遇(BOI・EEC等)との併用不可

2. 住宅用 Solar Rooftop に関する税制優遇

対象者

  • 個人(所得区分40(1)~(8))

税務メリット

設備購入および設置費用について、最大200,000バーツまで所得控除が可能です。

適用期間

2026年3月3日 ~ 2028年12月31日

主な要件

  • 住宅用(電力区分Type 1)のみ対象
  • 電力会社(MEA/PEA)への接続完了が必要
  • 1人・1メーター・1システム・1回限り
  • On-grid方式、最大10kWp以下
  • VAT登録事業者からの購入・設置
  • e-Tax Invoiceの取得が必須
  • メーター名義と申請者名義の一致

留意点

本措置は、上記1の設備投資優遇との重複適用は不可となります。

3. 共通条件

以下に該当する場合、本優遇措置の適用は認められません。

  • 他の税制優遇措置との重複利用
  • BOI・EEC等の優遇対象事業への使用
  • 歳入局が定める詳細条件を満たさない場合(※今後通知予定)

4. 支払いに関する主な要件

 ① VAT登録事業者への支払い

対象となる支出は、VAT登録事業者に対して支払われたものに限られます。
非VAT事業者からの購入の場合、税制優遇の対象外となる可能性があります。

② e-Tax Invoiceの取得

電子税務請求書(e-Tax Invoice)の取得が必須とされています。
紙の請求書や簡易領収書のみでは、適用が認められないリスクがあります。

③ 実際の支出であること

対象となるのは、 実際に支払われた投資費用に限られます。

―免責事項―

本記事の内容は、掲載時点の法令等に基づいて作成しております。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の会計・税務・法務その他の専門的助言を提供するものではありません。会計・税務・法務に関する具体的な取扱いについては、個別の状況に応じてご相談ください。

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