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【解説】第4回 会計税務に関する年次提出書類および
実施事項のスケジュール

2024.07.12
会計・税務

1.会計税務に関する提出書類および実施事項の期限について

タイに進出している日系企業の多くは非上場会社のため、本記事では非上場会社を対象とした下記の年間スケジュールをご説明いたします。また、月次で申告の必要な付加価値税(Value Added Tax)、源泉徴収税(Withholding Tax)や個人所得税の源泉税等は除き、年次での提出が必要な書類および実施事項をまとめています。

提出書類および実施事項期限
法人所得税中間申告書
 (P.N.D.51)提出
会計期間開始から6ヶ月経過時点から2ヶ月以内
(電子申告の場合8日間の延長※1
個人所得税確定申告書
 (P.N.D.91)提出
昨年度の所得について翌年の3月31日まで
(電子申告の場合8日間の延長※1
会計監査を受ける定時株主総会開催前の株主への送付まで
定時株主総会開催会計期間終了後4ヶ月以内
BOIへの事業報告書の提出
 (該当する場合)
会計期間終了後120日以内
法人所得税中間申告書
 修正申告(必要な場合)
法人所得税確定申告書提出前
法人所得税確定申告書
 (P.N.D.50)提出
会計期間終了後150日以内
(電子申告の場合8日間の延長※1
移転価格開示フォーム提出
 (該当する場合)
電子申告にて会計期間終了後150日以内
(現在は8日間の延長あり※1
監査済み財務諸表の提出定時株主総会日から1ヶ月以内
※1 電子申告の場合の期限の延長については、2024年1月に発出されたタイ財務省の告示(第7号)にて2027年1月31日までと定められています。

2. 12月決算期の場合の具体的なスケジュールおよび実施事項

日本では3月決算期の会社が多いですが、タイでは12月決算期の会社が多いです。日系企業についても12月を決算期とされる会社が多いため、以下12月決算期の会社のスケジュールを例に具体的な月を当てはめてみます。

【7月~8月】法人所得税中間申告書(P.N.D.51)提出

当事業年度の1月~6月の実績、予算および過去実績等をもとに、当事業年度の年間法人所得税の納税額を見積り、1/2相当額を申告および納付します。第1回でご説明のように、前事業年度の法人税納付額の半分以上と申告することも「合理的な理由」として認められます。

【翌年2月~3月】個人所得税確定申告書(P.N.D.91)提出

昨年度の個人所得について、確定申告を行います。(「第 3回タ イ で 働 く 人 の 個 人 所 得税」をご参照ください。)

【翌年3月~4月】会計監査

前事業年度の財務諸表について、タイの公認会計士として登録されている会計監査人による監査を受ける必要があります。日本では、主に金融商品取引法や会社法で監査が求められる場合に法定監査が必須となりますが、タイは全ての会社に法定監査を受ける義務があります。また、タイ法人の監査済み財務諸表を親会社の連結財務諸表に取り込む場合には、連結スケジュールに合わせる必要があるため、3月~4月よりも早い時期での監査となる場合があります。事前に連結スケジュールを親会社と確認し、タイの会計監査人とスケジュールを調整しておくことが必要となります。

【翌年4月】定時株主総会開催

監査済み財務諸表を定時株主総会開催日の3日前までに株主に送付し、定時株主総会で承認決議を行います。(株主総会開催の招集通知等の手順のご説明はここでは省いています。)

【翌年4月】BOIへの事業報告書の提出(該当する場合)

BOIから奨励を受けている会社で、恩典の法人所得税免税・減税を利用する会社は、事業報告書を作成し、タイの公認会計士の証明を受けた上で、当事業報告書をBOIに提出します。一般的にBOI監査と呼ばれますが、財務諸表全体に対して行う法定監査(会計監査)とは異なりますので、監査報告書とは別途証明が必要となります。

【翌年5月】法人所得税中間申告書修正申告(必要な場合)

中間法人税申告における課税所得の見積り金額に対し、実績としての年間課税所得が大きく上回り、その乖離が25%以上となっている場合に、そのまま法人所得税確定申告を行うと将来の税務調査等において中間時の申告額が過少であったとの指摘を受ける可能性があります。そのため、確定申告前に中間法人税の修正申告を行う必要があるかを検討します。ただし、中間法人税の修正申告を行った場合でも、中間申告の際に過少であった納税額に対して、延滞税(1.5%/月)の支払は必須です。また、前述しましたとおり、前事業年度の法人税納付額の半分以上を中間法人税申告時に納めていた場合には、乖離が25%以上となっていても延滞税等の対象とはなりません。

【翌年5月】法人所得税確定申告書(P.N.D.50)提出、移転価格開示フォーム提出(該当する場合)

法人所得税確定申告書に監査済み財務諸表および監査報告書を添付し、税務当局(歳入局)に提出します。納税額がある場合は納税を、前払法人税(源泉税)がある場合は還付申請を行います。この時、移転価格開示フォーム(Transfer Pricing Disclosure Form )の提出義務のある会社は法人所得税確定申告書と共に提出します。移転価格開示フォームの提出を義務化されるのは、年間総収入が2億バーツ以上、かつ関連者のある会社です。

【翌年5月】監査済み財務諸表の提出

定時株主総会の開催日から1ヶ月以内に、前事業年度の監査済み財務諸表および添付書類(Sor.Bor.Chor.3)を商務省に提出する必要があります。

各種申告期限を過ぎてしまった場合や、無申告の場合には、罰金等の罰則が科されますのでご留意ください。

―免責事項―

本記事の内容は、掲載時点の法令等に基づいて作成しております。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の会計・税務・法務その他の専門的助言を提供するものではありません。会計・税務・法務に関する具体的な取扱いについては、個別の状況に応じてご相談ください。

また、法令の改正や制度変更等により、本記事の内容が将来において必ずしも適用されない場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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