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【解説】第11回 税金計算上否認される
損金不算入費用の取り扱いについて

2025.02.27
会計・税務

第11回では、税金計算上否認される損金不算入費用を取り上げ解説します。タイでは、実務慣行として、会計処理を行うタイミングにて損金不算入費用(non-deductible expense等)としてあらかじめ計上しておき、税務調整時に当該科目を全額課税所得計算上調整する処理が見受けられます。今回はこの損金不算入費用として計上される詳細内容について説明します。

損金不算入費用とは、会計上は費用として計上されるものの、税務上は費用として認められず法人税計算を行う際の課税所得計算に含められない、つまり税務上の費用である損金として算入することができない費用を指します。法人税を計算するための課税所得は税金等調整前の利益から税務調整を行い計算することが一般的ですが、こちらの税務調整で損金不算入費用は加算処理され調整が行われる内容となります。損金不算入として処理が要請される背景は各項目ごとに異なりますが、以下では歳入法の記載(Section 65 Ter)から主なものを一部抜粋しそれぞれの項目について説明します。

1) 前期以前に帰属する費用

ある期間に発生した費用はその当該会計期間内にのみ税務上の損金として計上することが認められ、計上すべき会計期間を過ぎて費用を認識した場合、損金不算入費用となります。例えば、請求書を受領し費用処理すべきものが正しく処理が行われておらず、請求書日付から考えられる会計期間を超えて処理が行われた場合、当該費用は損金不算入費用として処理すべきものとして課税所得計算に含められない費用となります。

2) 利益の追求又は事業目的の遂行に関連しない費用

こちらは法人の事業目的に関連しない私的利用と考えられる費用など事業目的遂行に必要と考えられない費用が該当となります。これらの費用については課税所得計算に含められないものとなります。

3) 会計上の引当金により計上される費用

見積計上を行う各種引当金から生じる費用は確定した費用ではないため、課税所得計算に含めることができません。在庫から生じる評価引当金、賞与引当金等は実際の販売や処分、賞与の支払が生じたタイミングにて損金計上されることになります。

4) 支払先を特定できない費用

支払先から受領する書類において、記載すべき事項が不足するなど不備がある場合、支払先を特定できない費用として損金不算入費用となります。損金計上するためにも受け取る書類に不備がないか確認を行い、保管する必要があります。

5) 一定額を超過する交際費

飲食代等の一定の交際費は損金算入が認められているものの、上限があるためその上限を超えた金額については損金不算入費用として扱われます。総収益又は資本金の0.3%(いずれか大きい金額、ただし10,000,000THBを超える場合は10,000,000THBまで)が上限値となるため、法人税申告時には交際費のうち損金不算入費用として扱う金額があるかどうか確認を行う必要があります。

6) その他

慈善団体等特定団体への寄付金のうち上限値を超える部分、各種罰金、乗員10名以下のバスのリース料又は取得価額の減価償却費のうち上限値を超える部分も損金不算入費用となります。これらも歳入法上の損金不算入費用として規定されている内容です。

 損金不算入費用として計上される内容は多岐にわたりますが、上記の内容が主な内容となっています。損金不算入費用は直接課税所得ひいては支払法人税に影響する項目であるため、継続して損金不算入費用の金額が多額に計上されている状況があるかどうかについては確認が必要となります。タイでは税務上の調整時ではなく、会計処理時にあらかじめ損金不算入費用(non-deductible expense等)という勘定科目で会計上計上される実務があります。上記記載した内容が含まれる勘定科目となるため、どのような要因により損金不算入費用として分類されているか、何らかの改善により損金不算入費用ではなく税務上不算入とならない通常の費用として扱うことができる内容が含まれていないか等の確認を行うことで、支払法人税の低減につながる可能性があります。

―免責事項―

本記事の内容は、掲載時点の法令等に基づいて作成しております。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の会計・税務・法務その他の専門的助言を提供するものではありません。会計・税務・法務に関する具体的な取扱いについては、個別の状況に応じてご相談ください。

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