電子インボイスシステムにおける法定代表者
顔認証開始について
― 電子インボイスの新規登録および登録情報変更時に必要 ―
1. 概要
ベトナム税務当局は、2026年5月15日付の 公文書No.3078/CT-NVT に基づき、電子インボイス(e-Invoice)の登録および登録情報変更手続において、法定代表者本人による生体認証(顔認証)を導入しました。
本制度は、近年問題となっている以下のような事例への対策として導入されたものとされています。
- 他人名義による会社設立
- 架空会社を利用した不正なインボイス発行
- 身分証明書情報の不正利用
2. 対象となる手続
現時点では、主に以下の電子インボイス関連手続が法定代表者の顔認証の対象とされています。
(1) 電子インボイス利用の新規登録
会社設立後、新たに電子インボイスの利用登録を行う場合
(2) 法定代表者情報変更に伴う電子インボイス登録情報の変更
以下の法定代表者に関する情報変更が対象となります。
- 法定代表者の変更
- 法定代表者の個人情報の変更
例えば、以下のようなケースが該当する可能性があります。 - 法定代表者の交代
- パスポート更新等に伴う登録情報の修正
なお、公文書上では個別の変更項目は明示されていないため、実際の適用範囲については今後の運用を確認する必要があります。
3. 認証方法
電子インボイス登録/変更申請後、税務当局のシステムから法定代表者へ顔認証の要求が送信されます。
認証は eTax Mobile アプリ上で実施され、手続きの流れは以下のとおりです。
① 電子インボイスの登録・変更申請を提出
② eTax Mobile に認証要求通知が送信される
③ 法定代表者が顔認証を実施する
④ 税務当局システムが公安省のデータベースと照合する
⑤ 審査結果が通知される
顔認証が完了して初めて、電子インボイスの登録・変更手続が進められる仕組みとなっています。
4. 顔認証実施に必要な条件
税務当局によると、ベトナム人法定代表者の場合、以下の条件を満たしている必要があります。
- VNeID Level 2 アカウントを保有していること
- eTax Mobile アプリを利用していること
また、税務登録情報と国家住民データベース上の個人情報が一致している必要があります。
5. 外国人法定代表者について
税務当局は、公文書において「外国人については適用対象外」としています。
そのため現時点では、以下のように整理できます。
- ベトナム人法定代表者 → 顔認証必須
- 外国人法定代表者 → 原則として対象外
管轄税務署の運用によっては、外国人法定代表者に対しても
- 電子インボイス登録時に追加説明を求められる
- 本人確認資料の追加提出を求められる
といったケースが想定されます。
そのため、外国人が法定代表者となっている企業において電子インボイスの新規登録や登録情報変更を行う際には、事前に管轄税務署へ確認することをお勧めします。
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