メキシコにおける実質的支配者
はじめに
メキシコでは、法人の透明性と法令順守を促進するために、実質的支配者(Beneficiario Controlador, BC)の特定と報告が義務付けられています。本ニュースレターでは、実質的支配者に関する法的枠組み、特定手続き、報告義務、および罰則について説明します。
法的枠組み
連邦税法典(CFF)
第32-B Ter条:
企業は、実質的支配者の完全で最新の情報を取得し、会計の一部として保管する義務があります。この情報は、税務当局(SAT)に要求された際に提出する必要があります。情報の提出期限は15日以内で、さらに10日間の延長が可能です。
第32-B Quáter条:
実質的支配者とは、株主持分から経済的便益を享受する者、株主総会で決議を通せる者、取締役の過半数を解任できる者、15%以上の議決権保有者、法人の企業戦略を指導する者などを指します。
第32-B Quinquies条:
実質的支配者情報は常に最新に保つ必要があり、変更が生じた場合は15日以内に更新する義務があります。
第84-M条および第84-N条:
情報の未取得、未保管、不提出、更新の怠りなどに対する罰則が規定されています。罰金は150万~200万ペソに及ぶ可能性があります。
実質的支配者の特定手続き
ルール2.8.1.20
実質的支配者が特定できない場合、法人の唯一管理者(Administrador Único)や理事会(Consejo de Administración)のメンバーが実質的支配者とみなされます。
ルール2.8.1.21
企業は、実質的支配者の情報を取得、保管し、最新の状態に保つための内部手続きを実施しなければなりません。
ルール2.8.1.22
実質的支配者の情報には、識別情報、法人との関係、所有権や支配の形態、株式や持分の数などが含まれます。
公証人役場への提出書類
メキシコ子会社の株式が個人により直接保有されている場合、その個人の情報を公証人役場に提供する必要があります。間接保有の場合は、経由した法人の情報も含めて提供する必要があります。
まとめ
メキシコでは、実質的支配者の特定と報告が法的に義務付けられています。これにより、企業の透明性が高まり、法令順守が促進されます。実質的支配者の情報を正確に把握し、適切に報告することが重要です。企業は内部手続きを強化し、適時に情報を更新することが求められます。
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