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インドネシアの退職金規定

2023.05.19
会計・税務
Indonesia

従来労働法で規定されていたインドネシアの退職金規定はオムニバス法によって変更があり、2021年政令第35号にて定められました。
インドネシアにおける退職給付は下記の3つの要素から成り立っています。

① Uang Pesangon  (退職手当)
② Uang Penghargaan Masa Kerja (勤続功労金)
③ Uang Pengganti Hak (権利補償金)

会社都合退職手当及び勤続手当金は勤続年数に応じて、下記の表に基づき支給を行います。

会社都合退職手当

勤続年数基本給〇ヵ月
1年未満1ヵ月
1年以上、2年未満2ヵ月
2年以上、3年未満3ヵ月
3年以上、4年未満4ヵ月
4年以上、5年未満5ヵ月
5年以上、6年未満6ヵ月
6年以上、7年未満7ヵ月
7年以上、8年未満8ヵ月
8年以上9ヵ月

金属功労金

勤続年数基本給〇ヵ月
3年未満
3年以上、6年未満2ヵ月
6年以上、9年未満3ヵ月
9年以上、12年未満4ヵ月
12年以上、15年未満5ヵ月
15年以上、18年未満6ヵ月
18年以上、21年未満7ヵ月
21年以上、24年未満8ヵ月
24年以上10ヵ月

権利補償金

労働法156条4項に基づく下記3つの要素が権利補償金となります。

①未取得の有給休暇
②雇用当時に勤めていた地域への交通費(労働者及び家族分を含む)
③雇用契約、社内規則、労働協約で定められたその他の補償金

従来の労働法では住宅と医療補償が権利補償金の一部となっていましたが、オムニバス法と退職に関する2021年政令第35号では含まれない形となっています。

<従来>住宅と医療補償=退職手当+勤続手当の15%相当額

権利補償金の他にオニムバス法において改正があるのは解雇事由による退職手当と勤続手当金の倍率です。
改正後は下記の通りとなっており、コロナ禍の日本企業に影響があるのは会社の閉鎖や整理解雇による部分となります。

解雇事由退職手当勤続功労金
定年退職1.75倍1倍
12ヵ月を超える長期障害・病気2倍1倍
労働者の死亡2倍1倍
会社の合併、閉鎖、整理解雇(会社に損失が発生していない場合)1倍1倍
会社の閉鎖、整理解雇(直近2期以上勤続して会社に損失が発生していない場合)0.5倍1倍
※2021年政令第35号より抜粋

自己都合退職の場合

自己都合退職の場合は社内規則や雇用契約に基づき、退職手当(uang pisah)や権利補償金が支給されます。
ただし規定がない場合、原則として自己都合による退職では退職金の支給は無しとなります。

退職金計算の例

ケース①

勤続年数 4年6ヶ月
基本給  IDR 7,000,000
解雇事由 会社の合併(雇用者より解雇の申し出)
会社都合 – 退職手当=基本給×5ヵ月×1.0
         =IDR 35,000,000
勤続功労金    =基本給×2ヵ月×1.0
         =IDR 14,000,000

ケース②

勤続年数 24年
基本給  IDR 12,000,000
解雇事由 定年退職
会社都合 – 退職手当=基本給×9ヵ月×1.75
         =IDR 189,000,000
勤続功労金    =基本給×10ヵ月×1.0
         =IDR 120,000,000

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