インドネシアにおける最低払込資本金と最低投資額について
「最低払込資本金」と「最低投資額」というのは、インドネシア特有の規制です。
外資企業*の場合、高額な払込資本金と投資額が要求されます。このふたつは混同されがちですが、異なる概念ですので注意が必要です。
* インドネシアの会社法上では、1株でも外国人あるいは外国法人が所有している場合、その企業は「外資企業」(インドネシア語では「PMA / Penanaman Modal Asing」)とみなされます。
最低払込資本金
一言でいうと、払込資本金とは、株主が会社に出資した額のことで、実際に会社の銀行口座に入金される必要があります。
インドネシアで外資企業を設立する場合、払込資本金の最低金額が決められており、2024年10月現在、最低100億ルピア(約9400万円)となっています。
以前は25億ルピアでしたが、2021年6月以降、それまでの4倍となる100億ルピアに引き上げられました。
最低払込資本金額が引き上げられる前に設立された会社については、グランドファーザールールに則り、基本的には100億ルピアに達していなくても問題ないと考えられています。
しかし、このグランドファーザールールについては曖昧であり、自動的に適用されるわけではなく、個々の状況に応じた判断・対応を求められており、場合によっては100億ルピアまでの増資が必要になってくることも考えられます。
この最低払込資本金額は、事業者識別番号(NIB)の申請までに達成することが求められます。
最低投資額
ここでいう「投資額」とは、会社が支出(投資)する予定の金額のことと認識していただければ問題ありません。
外資企業においてはこの最低投資額は取得するKBLI(後述を参照)の数で決まり、例外を除いて、基本的にKBLI番号を一つ取得するごとに100億ルピアの最低投資額(土地・建物を除く)が追加で必要になります。
ただ例外的にKBLIを複数取得しても最低投資額が変わらず100億ルピアとなる場合もあります。
飲食業についての例外を挙げますと、KBLIの上2桁が同じであれば、KBLI番号を複数取得している場合でも、最低投資金は100億ルピアのままとなります。
ただ、このルールは1店舗の場合で、2店舗になると最低投資金は200億ルピアというように、店舗数に応じて、最低投資額も増加します(上述の最低払込資本金の追加は必要ありません)。
飲食業で最低投資額が100億ルピアとなるケースの例
・1店舗のみ出店し、KBLI:56301(レストラン)のみ取得する場合
・1店舗のみ出店し、KBLI:56301(レストラン)とKBLI:56101(バー)を取得する場合
飲食業で最低投資額を増やす必要が生じるケースの例
・2店舗以上出店し、KBLI:56301(レストラン)とKBLI:56101(バー)を取得する場合
また外資企業の場合は、投資額についてLKPM(四半期投資目標達成報告)での報告も求められます。
最低投資額の説明で出てきたKBLIについて、参考のためここでは簡単に説明します。
KBLI (Klasifikasi Baku Lapangan Usaha Indonesia)
日本語では「インドネシア標準産業分類」、「事業分類コード」など様々な呼び方があります。
その名の通り、企業が行う事業を5桁の番号でグループ分けするのですが、その5桁の番号がKBLIです。
インドネシアで事業を開始しようとする場合、各種許認可については取得予定のKBLIごとに異なるため、自社の行う事業に合ったKBLIを取得することがまずはじめの第一歩となります。
予定している事業によっては、KBLIを複数取得することになる可能性もありますし、そもそも外国企業が取得できないKBLIや、インドネシアの企業と協業する形でなければ取得できないKBLIもあります。
適切なKBLIを取得していないと罰則を受けたり、事業の継続に影響がでることもあります。
また、KBLIによっては手続きが通常の方法と異なったり、追加で必要となる手続きがあったりといったことがあるため、KBLIの決定がインドネシア進出の第一歩となるのです。
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