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インドネシアにおける外資企業の最低払込資本金額の
引き下げについて(BKPM規則2025年第5号)

2025.10.16
会計・税務
Indonesia

以前の記事(インドネシアにおける最低払込資本金と最低投資額について)で、2021年6月以降インドネシアで外資企業を設立する場合、最低払込資本金が100億ルピア(約9,400万円)必要とご紹介しました。
しかし、2025年10月にBKPM(インドネシア投資省)により、外資企業の最低払込資本金や投資額の基準が変更される新たなBKPM規則(BKPM Regulation No.5/2025)が施行されました。
今回は、インドネシア現地で会社を設立する際に特に重要な4つの変更点を紹介します。

①最低払込資本金は25億ルピアに引き下げ

2025年の新ルールでは、外国資本企業(PMA)の最低払込資本金がRp2,500,000,000(25億ルピア / 約2,300万円)と明確に定められました。
これは株主が実際に会社へ払い込む(送金する)必要のある資本金です。
これまではRp10,000,000,000(100億ルピア / 約9,000万円)の払込資本金が求められており、進出を検討していた外国企業においては大きな障害となっていました。
今回の改正では最低払込資本金を25億ルピアへ引き下げる旨が明文化され、当地への進出を検討されている外資企業においては、会社設立のハードルが大幅に緩和されました。 

②投資額は「100億ルピア」以上が必要

前述の「払込資本金」は株主が会社に出資した額のことで、実際に会社の銀行口座に入金される必要があります。
一方、 「投資額」とは 事業の規模・計画を示すためのもので、会社が支出(投資)する予定の金額のことと認識していただければ問題ありません。
今回の新ルールでは、外国資本による会社設立時に求められる最低総投資額が、Rp10,000,000,000(100億ルピア)以上と明確に定められました。
対象は土地・建物を除く金額で、判断単位もKBLI(事業分類)5桁 × プロジェクト × ロケーションごとと具体化されています。
不動産や宿泊、農業など一部業種では、土地・建物を含めて算定します。
これにより、どの事業をどこで行うかによって必要額が明確になり、計画立案が容易になりました。

なお投資計画について、特にこれから新規設立する会社において、「払込資本金は25億ルピアだが、投資計画は100億ルピア必要」というケースが生じます。
従来投資計画の内訳は土地・建物・機械・運転資本という形で分かれており、最初の3つを必要としないような商社などでは払込資本金=運転資本となっておりました。
今回の法改正およびOSSシステムのアップデートにより、新たに「資金源(source of financing/sumber pembiayaan)」という項目が追加されました。
「資金源」には借入金などが含まれ、すなわち100億ルピアの投資計画を満たすために、運転資本25億ルピア・資金源75億ルピアという形で策定することになります。
また、現時点では資金源の根拠を示すための借入契約書の提出などは不要とされています。

※KBLI(Klasifikasi Baku Lapangan Usaha Indonesia)…インドネシアで事業内容を分類するための5桁の事業分類コードで、会社設立や許認可取得の基礎となる重要な制度。

③「NIB」ひとつで社会保険や労働届出も完了

これまで会社を設立する際は、社会保険(BPJS)や労働届出(Wajib Lapor)などを、それぞれ別の機関で登録する必要がありました。
しかし今回の改定で、NIB(会社の登録番号)を取るだけで自動的にこれらの手続きも完了するようになり、OSSシステムを通じたワンストップ化が実現されることとなります。
ただし、実際にはシステムの改修・稼働を待たないといけないため、実務上の運用ができるようになるまでは今しばらく時間がかかると思われます。

※NIB(Nomor Induk Berusaha)… インドネシアで事業を行う企業に付与される事業者識別番号で、会社設立や各種許認可の基盤となる登録番号。

なお、2021年以前に100億ルピア未満の払込資本金で設立した外資企業においては、2021年の払込資本金引き上げの際であっても増資を必要としないグランドファーザールールが適用されていました。
しかしOSSシステム上では、「払込資本金が100億ルピアに満たない」というエラーが表示され、法人登記変更手続きなどが行えないという障害がありました。
現時点(2025年10月中旬)では本件は解消され、下記のようにOSSシステム上必要とされる払込資本金は25億ルピアと記載が変更されました。

―免責事項―

本記事の内容は、掲載時点の法令等に基づいて作成しております。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の会計・税務・法務その他の専門的助言を提供するものではありません。会計・税務・法務に関する具体的な取扱いについては、個別の状況に応じてご相談ください。

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