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ベトナムに赴任して1年目の個人所得税上の留意事項

2024.10.17
会計・税務
Vietnam

ベトナムで勤務を行うと個人所得税をベトナム税務署へ申告する必要が生じる。本稿では特に勤務開始初年度に個人所得税に関連した留意事項について列挙する。

居住性の判定

基準:以下のいずれかに該当すると居住者とされる。
   居住者とされた場合、原則として全世界所得課税が適用される。

  • 暦年または入国日から連続した12か月間の中で、ベトナムに183日以上滞在する場合
  • ベトナムにおいて恒久的な居所を有する場合(183日以上のレジデンスカードを持っている、183日以上の期間の賃貸契約を結んでいる)

なお申告開始は実務上、正式な辞令日以降に来越した日からとする場合が多いが、辞令が出る前のベトナムへの出張日、任命書の日付、雇用契約書締結日などを含め、将来的に税務指摘を受けない申告開始時期を慎重に検討する必要がある。また日本での居住者期間を強調するため、日本の税務署から居住者証明を取得することができる。

所得税申告の開始時期による申告年度のパターン

居住者に該当する時期によって以下の2種類の申告パターンがあるため留意が必要である。

初年度のうち183日以上滞在した場合:
(例えば2024年4月1日~12月31日に滞在)
1年目の申告期間:2024年4月1日~12月31日
2年目の申告期間:2025年1月1日~12月31日

初年度(1月1日~12月31日)のうち183日未満滞在した場合:
(例えば2024年10月1日~12月31日に滞在)
1年目の申告期間:2024年10月1日~2025年9月30日
2年目の申告期間:2025年1月1日~2025年12月31日 (*)

(*) 1年目と重複する期間(2025年1月~9月)から発生する所得税は税額控除可能

税務IDの作成、家族控除の申請

・PIT申告開始前に個人の税務IDを開設する必要がある。手続は全てオンライン化されており、必要情報はパスポート顔写真ページ、住所、メールアドレスなど。

・子供などの家族控除を登録をするには該当人物のパスポート等が必要

契約書類の作成

・給与を法人税上の損金として取り扱うには各駐在員の雇用契約書を作成する必要がある。なお、社長などの会社役員は法的には使用者の立場ではあるが、同じく税務上の観点から雇用契約書を作成いただく必要があるため留意が必要である。その他、日本で給与支給したものをベトナム法人へ請求する場合は別途立替契約の締結について検討する必要がある。

―免責事項―

本記事の内容は、掲載時点の法令等に基づいて作成しております。

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