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チーフアカウンタント制度について

2025.03.10
会計・税務
Vietnam

1. チーフアカウンタントとは

ベトナムでは「チーフアカウンタント(kế toán trưởng)」という法的に定められた会計責任者の役職があり、企業の会計情報の正確性を担保するための要となっている。単なる「会計マネージャー」や「経理担当者」とは異なり、公的に登録される法令上のポジションである点が日本との大きな相違点である。

チーフアカウンタントの主な役割

  • 会社の監査済み年次決算書への署名
  • 会計帳簿や支払伝票への署名
  • 税務署や銀行に対する会計責任者としての名義登録
  • 各種経理業務、財務報告

これらの業務は日本でいうところの「経理部長」や「財務部長」が担う役割とも重なるが、ベトナムではチーフアカウンタントが上記の署名等を行うことを法的に求められている。

2. 資格要件と登録手続き

2-1. チーフアカウンタント資格

一般的にチーフアカウンタントになるには、ベトナム財務省が指定する講習や試験を修了し、「Chief Accountant Certificate」を取得する必要がある。具体的には:

  • 会計・財務の実務経験が一定年以上あること(例:4大卒は2年以上、短大卒は3年以上などとされることが多い)
  • チーフアカウンタント研修コースの修了証を所持していること、もしくは公認会計士資格保持により要件がみたされるケースもある。

率直に言うと試験は難しくないため、チーフアカウンタントを持っているから実務能力があるとは言えない。採用の際は経歴等から適切な評価が求めらえれる。

2-2. 登録と届出

企業がチーフアカウンタントを任命する際には、税務当局への届出が必要。もし要件を満たす人材が社内にいなければ、外部の会計事務所やコンサルティング会社にチーフアカウンタント登録をアウトソースできる場合もある。

適切な登録や変更手続を行わなかった場合、最大で20,000,000 VNDの罰金が発生する可能性がある(41/2018/ND-CP 17条)。

3. その他の留意点

1. 設立初年度の企業や、零細企業はチーフアカウンタントが設置不要とされている。

2. チーフアカウンタントの退職
原則として、チーフアカウンタントが欠員になった場合は速やかに新たなチーフアカウンタントを任命・届出する必要がある。ただし、チーフアカウンタントの要件を完全に満たしていなくても、仮任命されたチーフアカウンタントを一定期間置けるといった規定もある。従い、例えば会計監査の完了前にチーフアカウンタントが退職し、監査済み決算書類に署名するチーフアカウンタントがいない状況となっても、仮任命により対応ができる場合がある。

3. 会計マネージャー」との区別
社内で「会計マネージャー」や「経理部長」と名乗っていても、法的に“チーフアカウンタント”として登録されていることが義務付けられるわけではない。経理部の他のスタッフの中からチーフアカウントを選任して登録すれば足りる。

―免責事項―

本記事の内容は、掲載時点の法令等に基づいて作成しております。

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