外国人及び外資企業のためのVNeID
1. 概要
VNeIDはベトナム公安省が管轄する電子認証、行政・税務・許認可のオンライン手続に横断的に紐づく共通キーである。2025年7月以降、外国人・外資企業に対する運用が本格化し、窓口での本人確認(顔写真・指紋)とアプリ連携の組み合わせが求められている。
個人VNeIDはベトナム身分証明書のID番号を使って登録されるが、外国人は身分証明書がないことから、居住許可(TRC)に紐づけてVNeIDを登録する必要がある。ここでTRCのない外国人はVNeIDが登録できず、またそれが法人活動に影響を及ぼし得る状況となっている。
2. 誰にVNeIDの登録が求められる?
外資企業の法定代表者の登録が急務
⇒法定代表者が複数登録されている場合、そのうち1名がVNeIDを登録すれば足りる。
⇒登録をするにはTRC(Temporary Residence Card)が必要である(後述)
⇒法定代表者が他者を委任し、受任者のVNeID登録を用いるような制度もある。しかし、登録アプリ上は委任を行う法定代表者のVNeIDの入力が求められる形になっているため、委任を用いたとしても、法定代表者はVNeIDの登録からは現状としては逃れられないと考えられる。
法定代表者でない外国人居住者については、現在のところ登録は任意
⇒現地法人運営に支障はない。ただし、ショッピングアプリや空港自動ゲートなどの面で既にVNeIDの利用が進んできており、今後、法定代表者でない外国人も登録が推奨される分水嶺がやってくるものと見込まれる。
3. 登録レベルの違いとTRCの要件
登録レベル1:基本属性中心で機能は限定的。
登録レベル2:顔・指紋の生体情報を登録し、申告や許認可など実務機能と連携
現行運用では、外国人のレベル2はTRC(またはPRC)の所持前提と整理され、窓口出頭・生体登録・手数料無料が実務の標準要件として示されている。
⇒TRCがない外国人はレベル2登録が行えないこととなる。
4. 法定代表者がTRCを保有していない場合の対応策
法定代表者がTRCを取得する
登記変更を行って他の現地駐在員やベトナム人幹部などのベトナム居住者を法定代表者とし、それらの個人VNeIDを用いる など
⇒それぞれ副作用もあるためどのように対応するかの検討が求められる。
5. 法人実務への影響
法人にもVNeIDが割り当てられ、代表者個人VNeIDを用いて法人VNeIDのログインができるようになる。今後、多くの役所手続が次第に法人VNeIDを用いたものになっていくと考えられる。
足元の影響としては、2025年7月より税務申告を旧来の税務IDではなく、VNeIDで実施する変更が行われている。ただし現時点では移行期間として、旧来の税務IDでも引き続き税務申告を実施可能である。移行期間がいつ終わるかは予測がつかないため、法定代表者のVNeIDがない場合、早急に取得を検討する必要がある。
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